GLP-1ダイエットで痩せない人が知っておくべき理由と本当の効果

GLP-1ダイエットで痩せない人が知っておくべき理由と本当の効果「GLP-1薬を使ってみたけど思ったより痩せない」
「理想の体重まで落としたいけどどうしたらいいの?」
上記のような悩みを持つ方もいるでしょう。

GLP-1ダイエットとは、GLP-1受動態作動薬(以下GLP-1薬)という薬を使ったダイエット方法です。
GLP-1薬は「肥満治療薬」として承認されている国もあり、その効果は保証されていますが、思ったより痩せないと感じる人もいます。

この記事では、GLP-1ダイエットで痩せない理由や効果を引き出すポイントを徹底解説します。
GLP-1ダイエットで理想の体を手に入れたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

GLP-1ダイエットで痩せない理由

GLP-1ダイエットを行っているのに思うように痩せない理由には、以下の3点が考えられます。

  • 生活習慣が整っていなかった
  • すぐにやめてしまった
  • 正しい方法で注射・服用できていなかった

それぞれ解説します。

生活習慣が整っていなかった

GLP-1ダイエットは、薬を使用しただけで一気に痩せるわけではありません。
薬の効果で食欲が抑えられ、食事量が減るため痩せていきます。
つまり、薬を使用しているからといって高カロリーのものをたくさん食べたり、満腹なのに大量に食べたりすると体重は減りません。

実際に、GLP-1薬のひとつであるサクセンダを開発したノボノルディクス社は「サクセンダは カロリー制限食と運動を併用する必要があります」と説明しています。
薬を使用していることで安心し、乱れた食生活や運動をしない生活を送っていると、効果的に痩せることができないのです。

参照元:How Saxenda® Works | Saxenda® (liraglutide) injection 3mg

すぐにやめてしまった

すぐに薬の使用をやめてしまうことも、痩せない原因のひとつです。

GLP-1薬は、3、4ヶ月ほどで効果が現れることがわかっています。
薬の効果で食事量が減るため、徐々に痩せていくのです。
短期間で薬の使用をやめると、効果を得られなくなってしまいます。

正しい方法で注射・服用できていなかった

GLP-1ダイエットの効果を得るには、正しい方法で注射や薬を服用することが大切です。
自己判断で使用方法を変えたり、適当に使用したりすると効果が出ないだけでなく、副作用のリスクも高まります。
GLP-1薬の使用にあたっては、必ず医師や薬剤師の指導を受けるようにしてください

痩せない人が知っておくべき本当の効果


GLP-1薬を使っても痩せない、と悩む方は、ここで改めて薬の効果を確認してみましょう。
ダイエットにおけるGLP-1薬の効果は、主に以下の3点です。

  • 食欲を抑える
  • 満腹感を持続させる
  • 脂肪の燃焼を促す

それぞれ解説します。

食欲を抑える

GLP-1薬には、食欲を抑える効果があります。
これにより食べ過ぎを防ぎ、摂取カロリーを減らすことができます。
具体的には、脳に働きかけて「満腹になった」という信号を送るため、少ない食事量でも満足感を得ることができるのです。

通常のダイエットであれば自分の意志で食欲を抑え込む必要がありますが、GLP-1ダイエットでは脳が満腹を感じてくれるので、過度な我慢は必要ありません。

参照元:血糖値を下げる注射薬 | 糖尿病情報センター

満腹感を持続させる

GLP-1薬は、満腹感が長く続くという働きがあります。
胃や腸の動きを遅くし、ゆっくりと消化させるため、空腹を感じるまでに普段より時間がかかります

この効果により、つい食べ過ぎてしまったり、だらだら食べ続けたりすることが少なくなるでしょう。
1回あたりの食事量や、間食が減ることで体重が落ちていくのです。

脂肪の燃焼を促す

GLP-1は脂肪の燃焼を促進する効果もあるといわれています。
体内の脂肪細胞に働きかけ、熱を生み出し、基礎代謝をアップさせます
基礎代謝が上がると、普段消費するエネルギー量が増え、自然と体脂肪が減りやすくなるのです。
結果的に、体重の減少をサポートすることにつながります。

参照元:GLP-1とは? | 糖尿病サイト

GLP-1ダイエットの効果を最大限に引き出す方法


ここからは、GLP-1薬の効果を引き出すために心がけたいポイントを順番に解説していきます。

GLP-1ダイエットの効果を引き出すには下記のことを意識することが重要です。

  • 生活習慣を見直す
  • 効果がでるまでの目安を知る
  • 正しい方法で注射・服用する

それぞれについて詳しく解説していきます。

効果を引き出す①生活習慣を見直す

まずは意識すべき生活習慣について解説します。

  • 栄養バランスの整った食事する
  • 有酸素運動を習慣化する
  • 過度な飲酒を避ける
  • 規則正しい生活をする

栄養バランスの整った食事する

栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
具体的には、次の栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ビタミン
  • ミネラル

「パンだけ」「パスタだけ」など単品での食事になりがちな人は、スープ・サラダ・果物などを取り入れると栄養が偏りづらくなります
一気に食事を変えるのは難しいと感じる方は、少しずつバランスの良い食事を意識していくとよいでしょう。

参照元:健康的な毎日を過ごすために|農林水産省 消費・安全局 消費・安全政策課

有酸素運動を習慣化する

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れましょう。
有酸素運動は脂肪を燃焼しやすいため、血液中の中性脂肪や体脂肪の減少を目指せます。
ややきついと感じる強さの運動を「週に3日以上」「1回20〜60分程度」続けると効果的です。

運動の時間を作ることが難しい場合には、通勤時間や買い物の時間などを使って、普段よりも多く自分の足で歩くことを意識してみてください。

参照元:糖尿病の運動のはなし | 糖尿病情報センター

過度な飲酒を避ける

アルコールの過剰摂取は、ダイエットの効果を妨げる原因となります。
アルコールは、1gあたり7kcalと意外と高カロリー。
ビールのレギュラー缶(350ml)1本に含まれるアルコールのカロリーは約99kcalです。
さらに、ビールに含まれる炭水化物やたんぱく質を足すと、1本あたりのカロリーは140〜180kcalとなります。

また、お酒を飲むと脂っこい食事も一緒に摂りたくなることが多く、脂質や塩分の摂り過ぎには注意が必要です。
過度な飲酒は避け、適量を楽しみましょう

参照元:アルコールとメタボリックシンドローム | e-ヘルスネット
   アルコールのエネルギー(カロリー) | e-ヘルスネット

規則正しい生活をする

規則正しい生活は、健康だけではなくダイエットにも大きく関係しています。
まず不規則な生活は、食べ過ぎや夜遅くの食事の原因となります。
食べた後すぐに寝てしまうことも体重増加の一因となるでしょう。

また、睡眠不足は食欲を増進させることも判明しています。
十分な睡眠をとることで、ホルモンバランスが整い、食欲のコントロールがしやすくなるのです。
「毎日同じ時間に起きて寝る」「3食しっかりと食べる」ことが、ダイエットを成功させるポイントです。

参照元:睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット

効果を引き出す②効果がでるまでの目安を知る

GLP-1ダイエットの効果を引き出す2つ目のポイントは「効果がでるまでの目安を知る」こと。
目安を知ることで痩せないことへの焦りがやわらぎ、長期的な視点でダイエットに取り組むことができます。

効果が実感できるのは3ヶ月以降が多い

GLP-1ダイエットの効果は、3ヶ月以降に感じられる方が多い傾向にあります。
焦らずに続けることがダイエット成功の秘訣です。

初めの1〜2ヶ月は、吐き気や便秘・下痢などの副作用が出やすい時期なので心が折れそうになることもあるかもしれません。
体重が減らないうえに副作用も出ると継続するのが辛いと感じることでしょう。
しかし、この時期を乗り越えることで結果につながります。

最初は体が変化に慣れる期間と考え、忍耐強く続けましょう

どのくらい痩せられるか目安を知る

どのくらい痩せられるか、体重減少の目安を知ることも大切です。

たとえば、2020年に発売されたセマグルチド(商品名はオゼンピック・リベルサス・ウゴービなど)と呼ばれる薬の研究結果は以下の通りです。

  • セマグルチド0.5mg:平均2.2kgの体重減少
  • セマグルチド1.0mg:平均3.9kgの体重減少

薬の容量に応じて、30週間で2~3kg程度の体重が減ることがわかっています
ただ、GLP-1薬は比較的新しい薬であるため日本人を対象とした研究データが十分とはいえません。
今後の研究結果が期待されるところです。

効果を引き出す③正しい方法で注射・服用する

3つ目のポイントは「正しい方法で注射・服用する」ことです。
GLP-1薬にはいくつかの種類があり、それぞれの正しい使い方を確認しましょう。

正しい注射方法

注射薬のなかでもいくつか種類があります。
おもな成分や、注射の頻度が異なります。

商品名 主成分 注射の頻度
オゼンピック セマグルチド 週1回
マンジャロ チルゼパチド 週1回
ビクトーザ リラグルチド 1日1回
サクセンダ リラグルチド 1日1回
<注射のポイント>
  • 医師の指示のもと、用法用量を守って注射する
  • 週1回の薬剤は、毎週同じ曜日に注射する
  • 1日1回の薬剤は、朝か夕方に注射する(可能な限り同じ時間に実施)

参照元:オゼンピック皮下注2mg|処方箋医薬品
   医療用医薬品 : マンジャロ
   医療用医薬品 : ビクトーザ (ビクトーザ皮下注18mg)

正しい服用方法

リベルサスはGLP-1薬のなかで現状唯一の飲み薬です。

商品名 主成分 注射の頻度
リベルサス セマグルチド 1日1回

参照元:医療用医薬品 : リベルサス (リベルサス錠3mg 他)

<服用のポイント>
  • 胃に内容物が入っていると薬の効果が低下するため、「1日の最初の飲食前」に空腹の状態で服用する
  • コップ約半分の水(約120mL以下)とともに服用する
  • 服用時と服用後は少なくとも30分は、飲食や他の薬の経口摂取は避ける

GLP-1ダイエットの危険性

GLP-1ダイエットには、リスクも伴います。
ひとつずつ解説していくので必ず確認しておきましょう。

副作用の心配がある

GLP-1ダイエットには、副作用のリスクがあります。
よくみられる副作用は以下の通りです。

  • 吐き気
  • 腹痛
  • 胃もたれ
  • 下痢
  • 便秘
  • 頭痛 など

副作用が出現した場合は、すぐに医師に相談することが重要です。

使用できない場合もある

GLP-1薬は、体質や体調によっては使用できないケースがあります。
たとえば、次のような方にはなどには使用が推奨されていません。

  • 甲状腺疾患や膵炎の既往がある方
  • 低血糖を起こしやすい方
  • 妊娠中や授乳中の方

使用前は必ず医師の診察を受け、自分に適した薬かどうか確認しましょう

個人輸入はトラブルにつながる

GLP-1薬は医薬品です。
医療機関を受診せずに、安易に個人輸入サイトから購入することは危険が伴います。
個人輸入した医薬品は、品質や安全性の確認がされていないことがあるためです。
つまり、「効果が得られない偽物の薬」「異物が混入した薬」である可能性もゼロではないのです。

安全な製品を使用するため、そして副作用が現れた際にすぐに対応できるようにするためにも、医薬品は必ず医療機関で購入するようにしてください

参照元:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ |厚生労働省

まとめ

GLP-1ダイエットは、正しい知識と方法で行うことで効果が期待できるダイエット法です。
薬を正しく使用しながら、食事や運動を整えることが重要です。
焦らずに続けることで、健康的に痩せることを目指せます。

最後に、GLP-1ダイエットの効果を引き出すポイントをもう一度紹介します。

  1. 生活習慣を見直す
  2. 効果がでるまでの目安を知る
  3. 正しい方法で注射・服用する

無理なく、効果的にダイエットを成功させるために、この記事で紹介したことを参考にしてみてください。