ヒアルロン酸注射・ボトックス注射・PRP療法をプロが徹底比較!

シワやほうれい線に効果的な注射をしてみたいけど副作用が心配。
ヒアルロン酸注射やボトックス注射は何が違うのか分からない。
副作用やデメリットがなければすぐにでも注射を試してみたいという方に向けて、ヒアルロン酸注射・ボトックス注射・PRP治療の特徴をプロが徹底比較します!

「ヒアルロン酸注射・ボトックス注射・PRP療法をプロが徹底比較!」違いを明確に

ヒアルロン酸注射は、シワやたるみによる凹みなど気になる箇所にヒアルロン酸を注入することで、肌のふくらみやリフトアップ効果が期待できる治療です。
もともと身体にある成分のため、アレルギーなどの副作用も心配ありません。
ヒアルロン酸には様々な種類があり、その硬度によって鼻やあご、涙袋といった部分のプチ整形としても利用されています。

ボトックス注射は、ボツリヌス菌がつくるボツリヌストキシンというたんぱく質を筋肉に注入することで筋肉を弛緩させ、局所的にその動きを弱める治療法のこと。
周囲の筋肉の補助効果が強化されるので、皮膚がひっぱられてシワが改善されます。
効果が出すぎると表情が硬くなり不自然になるなどといった副作用が生じる可能性があるので、信頼できるクリニックを選ぶことが重要になります。

PRP療法は、自分の血液中の血小板が放出する様々なサイトカイン(成長因子)の力で肌を再生する最新の治療です。
肌が若返り、目の下のクマや薄毛にも効果があるとして注目を集めています。
自分の血液なので副作用の心配もほとんどありませんが、効果を発揮するまでには1か月程度と緩やかな変化ですが、持続時間は1~3年と長期的な効果を得られるのが特徴です。

ここからは、ヒアルロン酸注射、ボトックス注射、PRP療法の特徴や効果、持続期間、副作用について詳しく解説していきます。

【3つの注射を徹底比較】

ヒアルロン酸注射 ボトックス注射 PRP療法
効果 肌のハリを作る
深いシワを改善する
鼻やあごを形成する
小じわを改善する
エラを小さくする
発汗を抑える
肌を若返らせる
目の下のクマを改善する
薄毛を改善する
対象 ほうれい線、ゴルゴライン、眉間、こめかみ、頬、鼻、あご、涙袋 額、眉間、目尻、口元、あご、エラ、脇 小じわ、ほうれい線、マリオネットライン、クマ、頭皮
持続期間 半年 半年 半年~3年間
副作用 ほぼなし わずかに可能性あり ほぼなし
値段 1万円~10万円 3万円~5万円 15万円~20万円

【ヒアルロン酸注射】鼻やあごのプチ整形が人気!効果や痛みは?

プチ整形の代名詞的存在として高い人気を誇るヒアルロン酸注射。
成分はもともと人の身体にある「グリコサミノグリカン(ムコ多糖)」の一種のため、アレルギーが生じる心配がほとんどありません。

1グラムあたり6リットルもの水分を保持する優れた保湿力があるヒアルロン酸は、みずみずしい肌を保つために必須の成分であると言えます。
しかし、ヒアルロン酸は加齢とともに失われていく成分なので、肌の弾力がなくなり、たるみやしわが形成されるようになってしまうのです。

ヒアルロン酸注射の効果・対象

ヒアルロン酸注射とは、ほうれい線や小じわなどにヒアルロン酸を注入することで、肌のハリを取り戻すという対症療法のこと。
肌を切る必要がなく注射をするだけなので、5~10分程度で手軽に行えるのも人気の秘訣です。
肌のへこんだ部分を盛り上げる効果や、鼻やあごに注入することで、理想的なフェイスラインを手に入れることも可能になります。

化粧品では柔らかいイメージのあるヒアルロン酸ですが、美容整形では柔らかくも粘度の高いものを利用するため、しっかりとしたふくらみを形成できます。
ヒアルロン酸ブランドは、アラガン社製の「ジュビダームビスタ」。
失敗を避けるためには、美容整形外科が利用しているヒアルロン酸のブランドだけでなく、粘度もチェックすることが重要になると言えるでしょう。

最近では、顔を3Dのように立体的に盛り上げるヒアルロン酸注射も登場しています。
アラガン社の「ボリューマXC」というブランドで、持続期間は2年と長いことが特徴です。
こめかみと頬に注入したヒアルロン酸が支柱となることで、輪郭をふっくらとふくらませる効果があります。
ボトックス注射で輪郭をシャープにし、ヒアルロン酸注射で立体的なフェイスラインを形成することで、より理想的な顔立ちに近づけることが可能になります。

ヒアルロン酸注射は深く刻まれたシワを埋める効果があるので、笑顔を作っていない時にも出てしまうほうれい線やゴルゴライン(ミッドチークライン)の改善に適しています。
他にも、鼻やあごを高くして美しいEラインを形成したり、涙袋や唇に注入して女性らしい顔立ちにしたりするプチ整形にも向いています。

ヒアルロン酸注射の持続期間

施術後すぐに効果が表れるヒアルロン酸注射ですが、成分が体内に吸収されやすく持続期間は半年程度となっています。
徐々にふくらみが薄れてくるので、物足りなくなったら定期的にヒアルロン酸を追加で注入するという方が多い傾向にあります。

ヒアルロン酸注射の副作用

ヒアルロン酸注射は人の身体にある成分を利用するため、痛みやアレルギーなどの副作用が発生する可能性はほぼありません。
しかし、注射を指した箇所で内出血が発生したり、腫れが発生したりという可能性はあります。
これらのダウンタイムは2日間~1週間程度で、コンシーラーなどでカバーすれば目立たせなくすることができます。
施術後は激しい運動や飲酒を避け、身体を温めすぎないように安静にすることを心がけましょう。

また、目の周りには膨大な神経や血管が走っているので、ミスをすると動脈血栓から失明に陥ってしまうリスクも否めません。
そのような事態を避けるためには、経験豊かで顔の血管や神経にも詳しい医者を選ぶようにすることが重要になります。

ヒアルロン酸注射のメリットは、ヒアルロン酸を溶かす「ヒアルロニダーゼ」という薬剤が開発されている点にもあります。
万が一ヒアルロン酸が均一に注入されず、顔に凹凸が生じてしまった場合でも、ヒアルロン酸を溶かすことで元の形に戻すことが可能です。

ヒアルロン酸注射の値段

ヒアルロン酸注射は安価なもので1万円から、ボリューマCXのような最新のもので10万円程度と、幅広い相場となっています。
安価なものは韓国製などの信ぴょう性にやや欠けるヒアルロン酸を利用しているケースが多いので、どこのメーカーやブランドを利用しているかは必ず確認するようにしましょう。

アラガン社など信頼性の高いメーカーを利用しているにも関わらず料金設定が安いという場合は、大量に仕入れることで仕入れ単価を下げているか、新規顧客を獲得するためにキャンペーン価格としている可能性があるのでお得と言えます。

【ボトックス注射】肌の若返りだけでなく多汗症などの悩みも解決!効果や痛みは?

ボトックス注射とは、ボツリヌス菌がつくるボツリヌストキシンというたんぱく質を筋肉に注入することで神経を麻痺させ、筋肉を弛緩させる治療法の一つです。
美容目的で使われることはもちろんですが、筋肉のこわばりを緩めることで関節の挙動などがしやすくなるため、脳梗塞後の手足のつっぱりの緩和など、医療目的で用いられることもあります。
ボツリヌス菌は食中毒の一種であり、ボツリヌストキシンも毒素ではありますが、ボトックス注射で使うのはごく少量であるため、中毒症状などの心配はありません。

ボトックス注射の効果・対象

ボトックス注射では、注射部分の筋肉を弛緩させることによって周りの筋肉の補助効果を強化。
それらが皮膚を引っ張ることによってシワを改善することができます。
また神経の麻痺による発汗の抑制も期待でき、額や脇といった部分に注射する例もよく見られます。

近年ではマイクロボトックスという新しい施術法も開発されました。
こちらは筋肉ではなく皮膚の層に細かくボトックス注射をすることによって、マイルドな作用をより広い範囲にもたらすことができます。

身体本来の力を利用するものなので、どちらかというと額のシワや目じりのシワといった浅めのシワの改善に向いており、ほうれい線やマリオネットラインなど、通常時にも出てしまうような深いシワにはあまり向きません。

ボトックス注射の持続期間

効果は施術後2~3日程度で現れ始め、その効果は約半年持続します。
しかし、筋肉の機能が戻るにしたがって効果は薄れてきますので、定期的な施術はどうしても必要になります。
ただし、同じ箇所に何度も続けて注射をすると、ボツリヌストキシンに対する抗体ができてしまい、効果が下がってしまう可能性があるため注意しましょう。
春と秋、夏と冬といった形で、年に2回程度の利用に留めておくのが、その効果を最大限に発揮するためのポイントです。

ボトックス注射の副作用

皮膚や筋肉層への注射を必要としますので、注射部の痛みや腫れ、内出血などは比較的起こりやすい副作用と言えるでしょう。
また毒素を体内に入れるわけですから、中毒症状とはいかないまでも、細かな発疹等が出る可能性もあります。
これらは薬の効果が予想以上に身体に影響を及ぼしてしまった結果とも言えますので、時間の経過により薬の効果が薄まってくれば、自然と回復していきます。

また、筋肉の弛緩を利用するという特性上、効果が出過ぎると筋肉が下がってしまい、まぶたや頬が下がってしまうという副作用もあります。
それらも時間の経過とともに徐々に改善はしていきますが、不安な方は「VST認定医」というボトックス注射の認定医資格を持った医師が在籍しているクリニックを選ぶようにすると良いでしょう。

ボトックス注射の値段

部位により多少金額の違いはありますが、1ヶ所辺り3万円~5万円程度が相場です。
ただし、一言にボトックスと言ってもさまざまな種類があり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)から認定を受けたアラガン社製のボトックスなどは比較的高額になりやすくなります。
逆に韓国製のボトックスなどは値段も安価ですが、効果に対する信ぴょう性もやや低くなってしまいますので、施術を希望するクリニックがどのような種類のボトックスを扱っているのか、事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

【PRP療法】自分の血液で肌を再生する最新療法!効果や痛みは?

PRP(多血小板血漿)療法は、自分の血液から採取した血小板を用い、肌を若返らせる最先端の再生医療として注目を集めています。
PRP療法を肌に注入することで、真皮の線維芽細胞や表皮細胞を活性化させ、新しく若い細胞に作り替えていくという効果を発揮します。
自分の血液で作った成分のため、感染やアレルギーの心配がないのが特徴です。

PRP療法は厚生労働省による再生医療の資格を取得しなければできないので、信頼できる医療機関で施術を受けることが可能になります。

PRP療法の効果・対象

PRP療法は、老化した皮膚を若返らせる効果がある肌の再生医療です。
肌を擦りむいた時に自然と治癒していくのを体感したことがあると思いますが、これと同じ原理を利用している療法となります。
血液の血漿成分の成長因子が肌の細胞が刺激し、老化した細胞が若々しくよみがえらせることができるのです。

小じわや眉間のシワ、手や首のシワ、たるみ、ニキビ跡の凹凸、目の下のクマを改善するため、30代後半からの肌の悩みに効果を発揮します。
年配の方でも、血液から血小板を抽出して濃縮するため、ご自身の血液で問題なく施術を行うことができます。

PRP療法は細胞を活性化するため、薄毛治療にも効果があるとして注目を集めています。
男性に比べて治療が難しいとされている女性の薄毛にも効果があり、今後さらに普及していくことが見込まれています。

PRP療法の持続期間

目立つシワには施術後すぐに効果が表れ、3~4週間で肌になじみます。
ダウンタイムは2日程度で、施術後から化粧をすることも可能。
持続期間は半年から1年となり、ヒアルロン酸注射よりも長く効果を実感できる傾向にあります。

PRP療法の副作用

自分の血液から採取した成分を注入するため、アレルギーなどの副作用はありません。
麻酔クリームを使用するため、痛みもほとんどないと言ってよいでしょう。
若干のむくみや内出血が発生する可能性がありますが、数日程度でおさまります。
施術後は強くこすらないように注意し、激しい運動や飲酒を避けましょう。

PRP療法の値段

顔全体に施術する場合は、15万円~20万円が相場となっています。
品質が保証されたPRPを使用しているかを確認し、経験や知識が豊富なクリニックを選ぶことが重要になります。

症状に適した注射とクリニックを選ぶことが重要

ヒアルロン酸、ボトックス、PRPと、同じ美容を目的とした施術でありながらも、その仕組みや効果は微妙に異なり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

即効性と比較的安価で安全な手法を選ぶならヒアルロン酸、シワだけでなく、汗などの他の症状にも対応していきたいならばボトックス、高価ながらも最新の技術を用いた美容を行いたいならばPRP療法、といったように、目的や用途に分けて使い分けていきたいものですね。

またクリニックによっても、金額の差はもちろん、扱う器具や材料の違い、さらには医師の技術などにも差があるものです。どこも同じと思い込み、金額のみでクリニックを判断するのは非常に危険ですので、事前の下調べはもちろん、医師との直接のコミュニケーションを踏まえて判断するなど、焦らず落ち着いた対応を心がけるようにしてください。

いずれにしても、技術の進歩に伴い、今回紹介した美容に関する施術の効果も確実に向上しています。だからこそ、ちゃんと自分が納得できる方法で、後悔しない選択をするようにしましょう。